資格取得者の声

資格取得者の声

2級:古瀬布美子さんの場合

―東日本大震災で被災された方々を対象に臨床美術を用いた復興応援活動を行っている、臨床美術士のプロジェクトチーム「東日本臨床美術りぼん」(2012年6月発足)のメンバーである古瀬さん。仕事の合間を縫って、日々ボランティア活動に飛び回っています。

古瀬さん

(古瀬さん)
「震災直後、友人知人の安否確認をするため避難所を回っていました。そこには手足を伸ばすスペースもなく、余震に脅える子ども達の姿がありました。不安を取り除く遊びの時間をと考え、画材を掻き集め、自由に描ける遊び場を作りました。『お絵かきしていいの?』と子ども達が集まってきました。ところが、一人の男の子が青のオイルパステルを見ると『海の色だ。怖い』と言ったのです。これは何とかしなければいけない。震災で皆が抱えたトラウマをほんの少しでも和らげることができたら、と考えるようになったのがこの活動に関わる始まりでした」

―支援活動の範囲は宮城県、岩手県、福島県、山形県にまで及び、これまで2000名を超える方々に臨床美術を実施、楽しんでいただいているとのことです。

(古瀬さん)
「活動開始から5年目を迎える今では、支援に向き合う臨床美術士の姿に頼もしさが増し、お互いの連携が深まることでさまざまなアイデアが生まれ、活動の幅も広がりました。今、「支援」から「応援」、「応援」から「日常」へ、支援活動の維持と新たな展開へ引き継いで行く仕組み作りとして、各地元地域の臨床美術士が核となり、臨床美術を展開できるような基盤ができればと思っています」

(このコンテンツは、当協会会報誌JCAA News 43号「臨床美術士を訪ねて」の記事をご本人の許可を得て再編集し、ご確認いただいたものです。)