臨床美術士とは

臨床美術(クリニカルアート)の拡がりにつれて、これを実施するスペシャリストの養成が、芸術造形研究所をはじめ、大学、自治体主催講座で進められています。
これに伴い、2002年より日本臨床美術協会が、専門的な訓練を受けた合格者を「臨床美術士(クリニカル・アーティスト)」として資格認定し、その水準維持に努めています。
芸術療法は一般に「アートセラピー」という名称が知られていますが、日本におけるアートセラピーは、主に心理療法からのアプローチが多く、アートセラピストと呼ばれる人たちも、絵によって心理分析をする人と認識されている傾向があります。
私たちのアプローチを説明する上で混乱を避けるためアートセラピーと臨床美術は明解に区別されています。
臨床美術は、本格的な芸術性を有し、独自のアートプログラムに沿って創造的な活動を行うことにより脳機能の活性を促すことを目的としています。
臨床美術士とは誰もが苦手意識を持つことのないように工夫されたアートプログラムを通して参加者の感性を引き出し、生きる意欲の創出にまで繋げていく専門家であるといえます。
臨床美術は主に認知症高齢者、MCI(前認知症の人)、心に問題を抱えた子どもや発達が気になる子ども、子どもの感性教育、一般社会人のメンタルヘルスケアなどを対象に実施されています。

認知症ケアの臨床においては、

  1. 医師による診断
  2. 臨床美術士による認知リハビリテーションとしての芸術活動
  3. ファミリーケア・アドバイザーによる介護者への精神的支援

臨床美術士の資格には、経験や習得度により5~1級までの段階があります。

臨床美術士の仕事

創作意欲を引き出す

臨床美術を受けに来る人には、「美術は苦手」と不安を感じている人が多くいらっしゃいます。
臨床美術士は、参加者入室の時から歓迎の気持ちを充分に伝えます。
「ここにいていいんだ」という安心感を抱いていただくため、プログラムは握手からはじまることが多いです。
さらに、制作のプロローグにあたる「制作導入」では、五感をフル活用してモチーフ(描く対象)を感じてもらったり、思い出を語り合うなど、それぞれの制作にとって最も効果的な方法で参加者から表現したい気持ち=創作意欲を引き出します。

感性を引き出す

臨床美術士は、アートプログラムに沿って参加者を制作へと導きますが、単に「作り方」を教える人ではありません。
参加者自身が能動的に制作することが大切になります。
色選びに迷う、どんな線を引きたいか悩むなど、多少のストレスがかかることも有効であるとの研究結果も出ています。
臨床美術士は参加者の気持ちや表現された作品に寄り添い、時には専門的な見地からの意見も伝えるなど、心からのコミュニケーションによって共に制作の時間を過ごし、その人ならではの作品作りをサポートします。

存在を受け入れる

臨床美術プログラムの終盤では、参加者全員の作品を並べての鑑賞会が行われます。
臨床美術士は、それぞれの表現の素晴らしいところ、個性的な部分などを具体的な言葉で伝えます。
このとき「上手い」という言葉は使いません。
表現作品は「上手・下手」で括られるものではなく個々の感性が輝くものであることを伝えます。
自分に正直に表現した作品が受け入れられることによって参加者は人として存在することへの根源的な喜びを感じるのです。

アートプログラムの作成

臨床美術士2級以上は、作品を制作するためのプログラムである臨床美術アートプログラムの作成も手がけます。
アートプログラムは、

  • 感性への刺激があるか
  • それぞれの表現を追及できる(個性的な作品が生まれる)か
  • 誰でも無理なく制作に入れるか
  • 作業的にならないか

などをポイントに、複数の臨床美術士によって練り上げていきます。
これらを実現するために、制作工程、素材、アプローチの方法まで多角的に検討し、多くの方に楽しんでいただけるよう、さまざまな工夫を凝らして、アートプログラムは作成されます。

臨床美術士が活躍する場

医療、リハビリテーションの場

認知症の症状改善・維持を目的にグループワークを行います。

実施場所

病院、診療所、リハビリテーションセンター

保健事業、介護予防事業の場

認知症の予防、脳の健康づくりとしてグループワークを行います。

実施場所

市町村の保健センター、地域センター、高齢者センター

福祉の場

高齢者のケア・アクティビティや心に問題を抱えた子どもたちへのケアとしてグループワークあるいはパーソナルセラピーを行います。

実施場所

介護老人保健施設など各種高齢者施設、障がい者福祉センターなど福祉機関

教育の場

子どもたちの感性を育むためのアプローチとして、あるいは福祉教育などの授業として行います。

実施場所

幼稚園、保育園、小学校、中学校、子ども造形教室、適応指導教室

シニア事業の場

セカンドライフを充実させるプログラム、アンチエイジング事業として、市民大学などの講座にも取り入れられています。また、シニア自身がボランティアの活動として行うこともあります。

実施場所

有料老人ホーム、グループホーム、地域センター、集会所

労働・研修の場

ストレスの多い職種など職業遂行のための心のサポート、忙しい職業人の右脳活性化、介護実務者への研修として行います。

実施場所

各企業内、各種研修センター

登録団体紹介

登録団体とは、地域における臨床美術の普及活動と臨床美術士同士のネットワーク構築維持、研究学習を目的とする団体で、一定の条件を満たす臨床美術士の自主活動団体として日本臨床美術協会から認められた団体です。登録が認められると設立時の補助金及び活動支援金の支給が受けらます。
※登録団体の条件や申請方法は、日本臨床美術協会 事務局までお問い合わせください。

沖縄臨床美術の会 アート人

団体名 沖縄臨床美術の会 アート人(あ-とんちゅ)
所在地 沖縄県那覇市
代表者名 真栄田 寿賀子
構成人数 20名
連絡先 TEL 098-866-0691 FAX 098-866-0691
URL http://artntyu.ti-da.net/

京都<臨床美術>をすすめる会

団体名 京都<臨床美術>をすすめる会
所在地 京都府京都市
代表者名 フルイ ミエコ
構成人数 206名
連絡先 TEL 075-331-8967(フルイ)
E-mail go_go_rinbi@yahoo.co.jp
URL http://blog.canpan.info/go_go_rinbi/

SUWART(スワート)

団体名 SUWART(スワート)
所在地 長野県諏訪郡
代表者名 小林 多美子
構成人数 11名
連絡先 TEL 0266-28-2578  FAX 0266-28-2578
E-mail thank-you.tami@ezweb.ne.jp

林檎の会

団体名 林檎の会
所在地 東京都杉並区
代表者名 河本 倫子
構成人数 10名
連絡先 TEL 03-3380-8025 FAX 03-3380-8025
E-mail kawamoto@jwp2.com

臨床美術 彩球(さいたま)

団体名 臨床美術 彩球(さいたま)
所在地 埼玉県さいたま市
代表者名 守屋 球子
構成人数 28名
連絡先 TEL 090-6123-1134 FAX 048-812-7235
E-mail info@rinbisaitama.sakura.ne.jp アトリエ 彩玉

富山まなびあい大学【臨床美術の会】

団体名 富山まなびあい大学【臨床美術の会】
所在地 富山県射水市
代表者名 北澤 晃
構成人数 49名
連絡先 TEL 0766-55-5567(富山福祉短期大学内) FAX 0766-55-5568
E-mail kitazawa@te.urayama.ac.jp
URL http://manadai.org/

臨床美術会 in Osaka

団体名 臨床美術会 in Osaka
所在地 大阪府大阪市
代表者名 米田 詠子
構成人数 43名
連絡先 TEL 06-7878-6365
E-mail osaka-rinbikai@jcom.zaq.ne.jp

クリニカルアートやまがた

団体名 クリニカルアートやまがた
所在地 山形県山形市
代表者名 東海林 啓
構成人数 38名
連絡先 TEL 080-8224-1604
E-mail info@clinicalart-yamagata.jp  安達 奈緒子 宛
URL http://www.clinicalart-yamagata.jp/

臨床美術 ございん

団体名 臨床美術 ございん
所在地 宮城県仙台市
代表者名 小幡 裕一
構成人数 11名
連絡先 TEL 090-3360-2660
E-mail yuuichi118@hotmail.co.jp

臨床美術 「ほっかいどう」

団体名 臨床美術 「ほっかいどう」
所在地 北海道札幌市
代表者名 土門 環
構成人数 22名
連絡先 TEL 090-7653-1161 FAX 011-821-5562
E-mail hokkaido.clinicalart@gmail.com 臨床美術「ほっかいどう」 宛

みらいアート

団体名 みらいアート
所在地 岐阜県可児市
代表者名 相馬 清美
構成人数 14名
連絡先 TEL 0574-48-8146 FAX 0574-48-8159
E-mail npo.doremimirai@lime.plala.or.jp