『臨床美術士・養成コース』のご案内はこちらです。

5級・4級・3級/ 感性アートゼミ/ 通信教育/ 特別講座(医学医療・子供と臨床美術・身体表現)


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1.臨床美術士とは

臨床美術(クリニカルアート)の拡がりにつれて、
これを実施するスペシャリストの養成が、
芸術造形研究所をはじめ、大学、自治体主催講座で進められています。

これに伴い、2002年より日本臨床美術協会が、専門的な訓練を受けた合格者を
「臨床美術士(クリニカル・アーティスト)」として資格認定し、
その水準維持に努めています。

芸術療法では一般に「アートセラピー」という名称が知られていますが、
日本におけるアートセラピーは、主に心理療法からのアプローチが多く、
アートセラピストと呼ばれる人たちも、
絵によって心理分析をする人と認識されている傾向があり、
私たちのアプローチを説明する上で混乱を避けるため
臨床美術とは区別されます。

臨床美術は、本格的な芸術性を有し、
脳科学に基づいたアートカリキュラムに沿って創造的な活動を行うことにより
脳機能の活性を促すことを目的としており、

臨床美術士とは、誰もが苦手意識を持つことないように
工夫されたカリキュラムを通して参加者の感性を引き出し、
生きる意欲の創出にまで繋げていく専門家であるといえるでしょう。

臨床美術は主に認知症高齢者、MCI(いわゆる前認知症の人)、
心に問題を抱えた子どもや発達が気になる子どもを対象に実施されています。

認知症ケアの臨床においては、

  1. 医師による診断と内服加療」
  2. 臨床美術士による認知リハビリテーションとしての芸術活動
  3. ファミリーサポーターによる介護者の精神的支援

の3点を柱とする包括的ケアとして確立しています。
こうした、医療・美術・福祉の壁を越えたアプローチが特色です。

従って、臨床美術士は、臨床美術独自のメソッドを身につけるだけでなく、
美術家としての感性や、医学的、福祉的視点と専門知識の修得、
リラックスした雰囲気を作り出すパフォーマンス性など、
さまざまな要素が要求されるのです。

臨床美術士の資格には、
その経験や修得度によって1~5級までの段階があり、
3級以上は、臨床美術のアートカリキュラム開発も行います。

現在のところ、この資格が直ちに就職に結びつくというものではありません。
しかし、臨床美術は介護予防事業として多くの自治体に取り入れられ、
その活動は認知症予防・治療・ケアにとどまらず、生きがいづくり、
子どもの感性教育や発達が気になる子どもたちのメンタルヘルスケアなど
幅広く展開されており、今後ますます活躍の場が拡がっていくことでしょう。

2.臨床美術士の仕事

創作意欲を引き出す

臨床美術を受けに来る人には、
「美術は苦手」と不安を感じている人が多くいらっしゃいます。

臨床美術士は、参加者入室の時から歓迎の気持ちを充分に伝えます。
「ここにいていいんだ」という安心感を感じていただくため、
プログラムの最初は必ず握手から始まります。

さらに、制作のプロローグにあたる「制作導入」では、
五感をフル活用してモチーフ(描く対象)を感じてもらったり、
思い出を語り合うなど、それぞれの制作にとって最も効果的な方法で
参加者から表現したい気持ち=創作意欲を引き出します。

感性を引き出す

臨床美術士は、カリキュラムに沿って参加者を制作へと導きますが、
単に「作り方」を教える人ではありません。

参加者自身が能動的に制作することが脳活性化につながります。
色選びに迷う、どんな線を引きたいか悩むなど、
多少のストレスがかかることも有効であるとの研究結果も出ています。

臨床美術士は参加者の気持ちや表現された作品に寄り添い、
時には専門的な見地からの意見も伝えるなど、
心からのコミュニケーションによって共に制作の時間を過ごし、
その人ならではの作品作りをサポートします。

存在を受け入れる

臨床美術プログラムの終盤では、
参加者全員の作品を並べての鑑賞会が行われます。

臨床美術士は、それぞれの表現の素晴らしいところ、
個性的な部分などを具体的な言葉で伝えます。

このとき「上手い」という言葉は使いません。
表現作品は「上手・下手」で括られるものではなく
個々の感性が輝くものであることを伝えます。

自分に正直に表現した作品が受け入れられることによって
参加者は人として存在することへの本来的な喜びを感じるのです。

カリキュラムの作成

臨床美術士3級以上は、作品を制作するためのプログラムである
臨床美術カリキュラムの作成も手がけます。

カリキュラムは、

脳の活性化や感性への刺激があるか
それぞれの表現を追及できる(個性的な作品が生まれる)か
誰でも無理なく制作に入れるか

などをポイントに、複数の臨床美術士によって練り上げるのが通常です。

これらを実現するために、制作工程、素材、アプローチの方法まで
多角的に検討し、さまざまな工夫を凝らして、
ひとつのカリキュラムに昇華させていきます。

3.臨床美術士が活躍する場

医療、リハビリテーションの場

認知症の症状改善・維持を目的にグループワークを行います。
【実施場所】
病院、診療所、リハビリテーションセンター

保健事業、介護予防事業の場

認知症の予防、脳の健康づくりとしてグループワークを行います。
【実施場所】
市町村の保健センター、地域センター、高齢者センター

福祉の場

高齢者のケア・アクティビティや心に問題を抱えた子供たちへのケアとしてグループワークあるいはパーソナルセラピーを行います。
【実施場所】
介護老人保健施設など各種高齢者施設、障害者福祉センターなど福祉機関

教育の場

子どもたちの感性を育むためのアプローチとして、あるいは福祉教育などの授業として行います。
【実施場所】
幼稚園、保育園、小学校、中学校、子ども造形教室、適応指導教室

シニア事業の場

シニアやシニア予備群のセカンドライフを充実させるプログラム、
アンチエイジング事業として、市民大学などの講座にも取り入れられています。
また、シニア自身がボランティアの活動として行うこともあります。
【実施場所】
有料老人ホーム、グループホーム、地域センター、集会所

労働・研修の場

ストレスの多い職種など職業遂行のための心のサポート、
忙しい職業人の右脳活性化、介護実務者への研修として行います。
【実施場所】
各企業内、各種研修センター

4.臨床美術サポーターについて

臨床美術の概要を理解し、普及をサポートできるだけの知識を修得している人を臨床美術サポーターとして認定しています。

協会指定の講座(アートゼミナールなど)を修了すると授与されます。

主に福祉や教育の従事者を対象にしていますが、
学校教育の一環として小学生サポーターや、
地域ボランティア育成によるシニア・サポーターも誕生しています。